3月も終わって4月に入り、ようやく寒い季節が終わりましたね。毎年のことではありますが、寒さで外に出るのが億劫になっていたのが、暖かくなってくると「寒さからの解放感」がとても心地よく感じます。ビジネス的にも積極的に外に出る人々が増えることで、御社商品のPOPやディスプレイを見られる機会が多くなり、ビジネスチャンスが増える季節ではないでしょうか。
さて、今回はビジネスチャンスが増えていく、この時期に合わせて、特に消費を牽引する女性の心をしっかりと掴むPOP、ディスプレイづくりのポイントをおおまかに7つに分けてお伝えしたいと思います。
【押さえておきたい7つのポイント】
①トレンドを掴んだデザイン
1つ目のポイントは”トレンドを掴んだデザイン”です。「そんなのは当たり前だ!」と思われる方がいらっしゃるかもしれませんが、ただ単に”良いデザイン”ということではなく”トレンドを掴んだ”という点が非常に大切です。
一般的に”男性は論理的、女性は感覚的”とも言われるように、女性は男性以上にデザインに敏感です。男性の目線から見て「良いデザイン」だと感じるものでも、少しでもトレンドを外していれば、女性から見ると古さや垢ぬけなさを感じるケースがあります。デザインはPOP、ディスプレイ制作のベーシックな部分ではありますが、全体のイメージをつかさどる部分でもありますので、細心の注意を払っておく必要があるのではないでしょうか。
▼直近のデザイントレンド事例 |
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・書体MIX: あえて様々なフォントを濫用することで、文字自体にもデザイン性を持たせる。 最近の女性誌でもこの手法がよく使われている。トレンド女子の生活に密着したカメラアプリのスタンプや写真投稿SNSのInstagramをイメージさせる。 |
・ゆるい可愛さ 細文字、吹き出しなどのアイコンも手書き、版ズレ風の文字、マスキングテープ風のデザイン要素、など |
②手書き文字
やわらかい印象をもたせる手書き風文字は「可愛い印象」はもちろん、身近さも感じさせる。さらに、活字でキッチリと訴求しつつ、どこかに手書き文字を入れることで、目立たせる効果もある。
③女性の好感度が高いモデル、タレントの起用
好感度の高い女性の起用は、POPやディスプレイに目を留めてもらうための重要なアイキャッチとなります。
よく女性は異性の目よりも、同性の目を気にするという話があるように、女性は憧れの対象をモデルケースとして、自信のファッションやメイクの参考とすることがよくあります。例えば、安室奈美恵さんはどちらかと言えば、男性よりも女性の人気が高いアーティストの一人ではないでしょうか。ひと昔前、安室さんのファッションを参考にした”アムラー”が街に溢れかえったのも、ひとつの事例だと思います。
もちろん、大手企業のように有名なモデルやタレントを起用するためには、それなりの予算が必要となるため、どこの企業様でもできることではありません。押さえておくべきポイントは、知名度が高いか、低いかという点よりも、女性が好む女性を起用できるかどうかが重要なポイントです。
④什器の形状を工夫する
デザインとともに工夫を凝らしたいのが什器(POP、ディスプレイ)そのものの形状です。より”感覚的”な女性をターゲットとする時に、特に抑えておきたいキーワードが「カワイイ」という感覚です。
この「カワイイ」という感覚はかなり幅広く使われるため、明確に定義することが難しいキーワードですが、女性がデザインや色とともに”カタチ”についても「カワイイ」と表現する場面は日常で多いと思います。
例えば、コスメ商品であれば、陳列の機能性だけを考えた無機質な形状のフロア什器よりも、ドレッサーの形状を模したものにしてみてはいかがでしょうか?
もちろん陳列する商品にもよりますが、POPやディスプレイのデザインだけでなく形状についても、いかに女性の「カワイイ」アンテナに引っかかるかを考えて、工夫を凝らすことがより目に留まりやすくなるポイントになります。
⑤製品の使用感が分かる訴求
商品を購買する心理として、どちらかと言えば、男性がそのスペックにこだわる一方で、女性はその使用感や使用イメージで商品選択をする傾向が強いようです。女性のほうが”バンドワゴン効果”=流行しているものに弱いというのも、同性が支持しているから使用感などが間違いないはずだという安心感があるためと思われます。
流行りの飲食店に行列をつくっているのは、どちらかと言えば女性を多く見かけるのもその一例と言えます。その観点からPOP、ディスプレイを考えると、いかに使用感や使用イメージをわかりやすく伝えるか?という工夫も女性の心を捉える大切なポイントとなります。
たとえば、商品のビフォーアフターや商品ユーザーの感想、口コミをPOPで訴求することで、使用感の具体的イメージを見せたり、多くのユーザーが支持していることを演出したりすることで購買行動を促すことに繋がるのではないでしょうか。
⑥どんなテイスト(系統)の商品かひと目ですぐわかる
メディアで”◯◯系女子”という言葉が取り上げられることがありますが、女性の場合、一括りに”女性”がターゲットと捉えるよりも、もう少し具体的にターゲットとなる女性の”ペルソナ”=人物像を明確にしておくことが大切です。男性向けよりも女性向けファッション雑誌の方が多種であることからも、女性をターゲットする場合は、より細分化が求められるということが分かります。
POP、ディスプレイを制作する場合にも、商品のテイスト(系統)がひと目でわかるデザインを施すことで、よりターゲット層に近い、確度の高い女性に目を留めてもらえる可能性が高まります。
▼ターゲット系統の事例:モード系、ゆるふわ系、オーガニック系、POP系
⑦飛び出す絵本のような細かいPOPUPや、重なり合って奥行きのある魅せ方
POPUPが数枚重なっている。または背面ボードがハートや窓などの形にくり抜かれていて、その奥にまたデザインがあるような魅せ方。凝ったデザイン・形状が、豪華さやインパクトを与える。その印象が商品の印象にも繋がるかもしれません。