少し前になりますが、伊勢半本店の紅ミュージアムで開催されていた
「近代香粧品なぞらえ博覧会」に行ってきました。
日本が近代化する中で、女性たちの中で変わりゆく「美」への意識。西洋への憧れと追いつこうとする意識。「パクリ?コピー?いいえ、これはリスペクトです!」というキャッチコピーの通り、当時の日本はパッケージから雑誌までほとんど「そのまま」西洋でつくられたものを真似したものが世に出ていました。
お歯黒や眉剃り・真っ白な白粉を塗った顔から、健康的でナチュラルなメイクが主流となり、「様式的な美しさ」から「個人の個性を生かした美しさ」が女性の間で意識されはじめます。
驚いたのは江戸時代頃から所謂「メイク本」があったこと。ハイライトの効果や入れ方、紅のつけ方など流行りの顔になるためのHOW TO本が当時からあり、そういった本も時代が変わる中で掲載内容やデザインテイストも変わっていき、女性たちに多大な影響を与えました。
現代になって、流行のスパンは当時とは比べものにならないくらい短くなりました。また、テイストも多様化されました。
どんなものが今好まれているのか、受け入れられているのか。
色にしろ書体にしろ、流行に左右される要素のひとつです。
いま流行りのグラデーションや淡く暖色系にぼかした写真の色合いも、数年後には「懐かしい」とかんじるものになっているかもしれませんね。