前回のPP加工に続き、
今回はニス加工とプレスコート加工についてご解説します。
<ニス加工>
印刷面をニス溶剤でコーティングする手法です。
ニスで表面がコーティングされるため、
こすったりしても色落ちしません。
質感としては、通常のグロスニスの場合PPほどではないですが
表面に少し光沢が出ます。
光沢を出したくない場合は、
つや感を抑えた見え方になるマットニスもあります。
PP加工の場合は色味が濃く変化すると前回ご説明しましたが、
ニスの場合はそこまで変化しないので
PPほどには気を遣わなくてもよいでしょう。
ニス加工は印刷機で行う加工のため、版を作ります。
版を工夫することで、特定の部分のみ加工を行うこともできます。
いわゆる部分ニスと呼ばれる加工方法ですが、
デザインによってはピンポイントのニス加工を施すことで
面白い見え方になります。
<プレスコート加工>
こちらは紙の表面に鏡面光沢と平滑性を施す表面加工です。
紙面に熱硬化性の樹脂を塗り、
熱をかけローラーでプレスすることにより光沢を出します。
こちらの加工も印刷面に施すことで
色の濃度が上がって見えるため注意が必要です。
質感としてはPP加工に近い艶感を出すことができます。
ただしPP加工のようにフィルムを貼るわけではないので、
耐水性や紙自体の強度が上がることはありません。
また、紙の両面に加工を施すことができないという
デメリットもあります。
一般的にPP加工よりは安価に行えるため、
販促物のコストは落としたいけれども
PPのようなつや感を出したい場合に使われたりします。
以上、代表的な表面加工3種をご紹介いたしました。
他にも加工方法はありますが、
今回はよく使われるものを紹介しました。
ディスプレイ製作の際の参考にしていただければ幸いです。